つなげば星座になるように
*★*―――*★*
ミニコンは、大成功。
…だったんだけど、入部希望の学生の多くは、王子がいないことがわかると、あっという間にいなくなってしまった。
それでも何人かは興味を持って部員になってくれて、歌葉部も少しにぎやかになった感じ。
今はミニコンのアンケートの集計をしている。
その内容が、
“問3.日常会話レベルで修得している言語を全て書いてください”
“問8.多言語きらきら星で聞き取れた単語を全て書いてください”
「うさみん先輩、絶対に研究に使う気だ…」
その、マイペースっぷりに笑ってしまう。
窓から入る風が気持ちいい。
目を閉じて深呼吸をすると、ミニコンの、あの熱を思い出す。
本当に、この大学に来れてよかったって思う。
「…結衣、キミはまだ日本語が不自由なのか?僕の話、聞いてる?」
「きゃあ!」
突然降ってきた声に驚く。
全く気づいていなかった。
「……あ、あれ?王子、いつからいたの?」
「“アーサー”」
「……あ、アーサー…」
名前を呼んだだけで、うれしそうに笑う。
それが、とてもうれしくて、私も笑う。
「結衣、その…、そろそろ言葉で欲しい」
あの夜から、一生懸命考えた。
考えた結果がこの2文字だった。
私は、再び瞳を閉じて、深呼吸する。
そして、ゆっくり目を開き、彼を見つめる。
たった、2文字の言葉なのに、とても勇気がいる。
でも、不思議。
たった2文字の言葉なのに……
「スキ」
ほら、
こんなにも胸に響くのだ。
☆FIN☆
ミニコンは、大成功。
…だったんだけど、入部希望の学生の多くは、王子がいないことがわかると、あっという間にいなくなってしまった。
それでも何人かは興味を持って部員になってくれて、歌葉部も少しにぎやかになった感じ。
今はミニコンのアンケートの集計をしている。
その内容が、
“問3.日常会話レベルで修得している言語を全て書いてください”
“問8.多言語きらきら星で聞き取れた単語を全て書いてください”
「うさみん先輩、絶対に研究に使う気だ…」
その、マイペースっぷりに笑ってしまう。
窓から入る風が気持ちいい。
目を閉じて深呼吸をすると、ミニコンの、あの熱を思い出す。
本当に、この大学に来れてよかったって思う。
「…結衣、キミはまだ日本語が不自由なのか?僕の話、聞いてる?」
「きゃあ!」
突然降ってきた声に驚く。
全く気づいていなかった。
「……あ、あれ?王子、いつからいたの?」
「“アーサー”」
「……あ、アーサー…」
名前を呼んだだけで、うれしそうに笑う。
それが、とてもうれしくて、私も笑う。
「結衣、その…、そろそろ言葉で欲しい」
あの夜から、一生懸命考えた。
考えた結果がこの2文字だった。
私は、再び瞳を閉じて、深呼吸する。
そして、ゆっくり目を開き、彼を見つめる。
たった、2文字の言葉なのに、とても勇気がいる。
でも、不思議。
たった2文字の言葉なのに……
「スキ」
ほら、
こんなにも胸に響くのだ。
☆FIN☆


