独占欲高めな社長に捕獲されました

 おばさんたちのロッカーと小さなテーブルがあるその部屋の奥に、また小さなドアがあった。おばさんがそれを開くと、大きなゴミ用のコンテナや食材が入っていた段ボールが雑多に置いてあるスペースが。その奥に地味なエレベーターが付いていた。

「これは清掃係がゴミを運搬したり、業者が食材を届けるためのエレベーターだ。ここから地下一階へ降りなさい。そこであんたの恋人が待っている」

「恋人? もしや、社長のことですか? 違いますよ、あの人は……」

 とんでもない勘違いだ。必死で否定しようとすると、おばさんは「皆まで言うな」と言うように、手のひらを突き出して私の言葉を制止する。

「わかってるよ。秘密は守る。さあ、行きな。ここは私に任せて」

 完全にアクション映画の主人公にでもなったようなおばさんは、会心の笑顔で私をエレベーターに突っ込んだ。

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