3年経ってしまった、消せない話
気になった事があったから、聞いた。


「ずっといた…?」


すると頷いた。何故か涙が流れた。拭いたくても力が出ない。

泣いた事にあいつは驚いていた。驚く事なのだろうか。


「ごめん…ありがとう」


ようやく気が済んだ…と思う。

念の為に熱が下がって本調子になったら一発殴ろう。

…もしあの時“気が済んだ”と答えていたら、

多分あの世行きだったんじゃないかと寒気がした。

あの時いた女の人は、羽根は妖精のようだったけど恐らく天使だと思う。

あの人がいなければ謝る事も出来ず、こうして感謝できる事もなかった気がする。

だからもう1度小さな声で“ありがとう”と呟いた。
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