3年経ってしまった、消せない話
クリスマス。正しくはイヴ……風邪をひいた。


「ったく帰省早々、何やってんのお前」


本当になぁ…言われなくても分かってるよ。兄貴。

その時丁度体温計の音が鳴った。取り出せば、熱があることが分かった。

別にだるくもないし、フラフラする事もない。ただ咳が止まらないだけ。


「食事は持ってきてやるからその辺フラフラするな」


「本当、悪いねー…皆に」


イヴは何故か親戚が集まってワイワイやると決まっている。

今日も叔父さんに叔母さん達が集まっている。

でも俺は参加が出来ない。何故ならこんなんだから。少しだけ楽しみだったから辛い。

兄貴が部屋から出ていったのと同時に、布団の中に潜りこんだ。

楽しそうな声が聞こえるのが嫌だから、出来るだけ聞こえないようにした。

早く今日が過ぎれば良い。過ぎればこんなに辛くならなくて済むから。

…あ、明日は約束が。どうしようか。多分と言うか絶対今日で治る訳がない。

暇だし、メールでもするか。そう思い、近くにあった携帯に手を伸ばした。
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