3年経ってしまった、消せない話
本当に何でプリュイは涙目なんだ…?


「…また…ここで俺が目を覚ましたとき…だな」

「それはいつなの?」


プリュイ…お前本当にしつこいな…そのしつこさもお前の良い所ってか?


「…さあな。で、でも必ず…」


急に眠くなってきた…まだ伝えきれてないのに神様って奴は残酷だ。


「か…な…ら、ず…お……ま…えの……」


“必ずお前の所に帰る。それだけは約束する”

こう言いたかったんだけどな…そろそろ発車時刻だがら行かないと行けないみたいだ。

言えなかったのは悔しいが、それまで留守番よろしくな。


「……シエル、楽しんできてね。御土産は月か土星だからね」


俺が現世の人間でなくなって、初めて聞いたプリュイの言葉。

返事が出来ないのが哀しい。

でも御土産がそれなのもな…スケールが大きすぎる。

それもプリュイらしいから良いんだけどさ。

宇宙の星を沢山見て、今度会う時に沢山話してやるからな。それまで待ってろ。

お前がおばあさんになっていても、必ず戻ってくるから。


『行ってきます』


俺を乗せた宇宙を巡る列車は、動き出した。
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