3年経ってしまった、消せない話
「お日様沢山ー」
少女が嬉しそうにはしゃいでいた。少年はその光景に驚いていた。
辺り一面に絵本に描かれていた“太陽の花”が咲き乱れていたのであった。
しかしそれは幻影だったらしく、まもなくして消えた。
少女は残念そうに俯いてしまった。
『どうでしたか?』
「…悔しい」
『どうしてです?』
「俺が叶えるはずの願いをお前が叶えたから」
ああ、と男は言った。少年は少女以上に落ち込んだ様子だ。
すると男は白と黒の縦じまの模様をした種を少年に手渡した。
少年は首を傾げてこれがなんなのかを尋ねた。
『それはですね…さっきの太陽を咲かせる種なんですよ』
「何で俺に?」
『お嬢ちゃんはきっと本物を見たがっていると思いましてね』
「どうやったら育つんだ?」
『普通に育てる花と同じですよ。夏に植えて下さいね』
「何で持ってるんだ?」
『それは私が放浪人だからです』
「…あっそ」
『今年はもう遅いですから来年ですね』
「…あんがと。最後に聞いて良い?これなんて言うの?名前」
『確か向日葵…でしたね』
「ふーん…ま、頑張ってみるよ」
『頑張って下さい。では私はこれで』
少女が嬉しそうにはしゃいでいた。少年はその光景に驚いていた。
辺り一面に絵本に描かれていた“太陽の花”が咲き乱れていたのであった。
しかしそれは幻影だったらしく、まもなくして消えた。
少女は残念そうに俯いてしまった。
『どうでしたか?』
「…悔しい」
『どうしてです?』
「俺が叶えるはずの願いをお前が叶えたから」
ああ、と男は言った。少年は少女以上に落ち込んだ様子だ。
すると男は白と黒の縦じまの模様をした種を少年に手渡した。
少年は首を傾げてこれがなんなのかを尋ねた。
『それはですね…さっきの太陽を咲かせる種なんですよ』
「何で俺に?」
『お嬢ちゃんはきっと本物を見たがっていると思いましてね』
「どうやったら育つんだ?」
『普通に育てる花と同じですよ。夏に植えて下さいね』
「何で持ってるんだ?」
『それは私が放浪人だからです』
「…あっそ」
『今年はもう遅いですから来年ですね』
「…あんがと。最後に聞いて良い?これなんて言うの?名前」
『確か向日葵…でしたね』
「ふーん…ま、頑張ってみるよ」
『頑張って下さい。では私はこれで』