春雷

この眉目秀麗、頭脳明晰な男性と

三月に初めて彼に会い、
四月にメールアドレスを交換。
そして
五月にレッドイーグルのファンイベントエントリーに一緒になって、ポチポチとやってるとは、誰が想像できただろう。


「柴田先生、この日は会議などの予定はありませんか?」
「大丈夫です!高村先生はこの日大丈夫ですか?」
「はい!前期試験前で雑務に追われてると思いますが大丈夫です!」

どちらかが当選したら、譲り合うことにした。

「あ、そういえば、今更ですが、三席エントリーでよかったですよね?」


え?あっ、そうか‥娘!
いや、待って、それはつまり

「あ、あの、高村先生‥今更ですけど、いや、もっと早く確認しておかなければならなかったと思うんですけど、
つまり、私と、高村先生、どちらが当選しても、同席‥しかも娘もって、ことになるんですけど、いいんですか?」

「もちろん僕は構いません。娘さんが不快ならやめときましょう。三席で良いか確認したのは、ご主人の分は必要ないか?と、いう意味です」


お、夫がファンイベント⁈
ないないない!

高村先生のご厚意は、とてもありがたかった。
娘が、彼と同席を嫌がるはずはないだろう。

(ねえ、琴葉さん見て!また高村先生、写真投稿されてるよ!)


四月に彼とレッドイーグルの写真を見てから、
高村先生は由乃のお気に入りだった。

だから私は本当は高村先生の授業動画などが沢山挙がっている事を、知っていた。



七月、当選すれば、高村先生と、娘と
レッドイーグルに会える。


想像するだけで、胸が高揚した。

絶対当たりますように‥!
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