42歳 主婦 旦那様に片思い中【佳作受賞】
「いえ、なんだか辛そうに見えたので。
俺でよければ、話を聞きますよ。」

勇気を振り絞って言ってみたけれど、返ってきたのは、

「大丈夫です。何でもありません。」

という迷惑そうな答え。

どこからどう見ても、大丈夫そうじゃない。
俺はもう一度、勇気を振り絞って言った。

「よかったら、飲みに行きませんか?
奢りますよ。」

そんな事を言っても、きっと断られると思ってた。

俺と飲みに行かなくても、咲笑の周りにはいい男がいっぱいいたから。

だけど、予想に反して、咲笑は、

「奢ってくれるんですか?」

と聞いてきた。

「はい。いくらでも。」

俺が頷くと、

「じゃあ、行きます。」

と咲笑は言った。

ホントに!?
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