42歳 主婦 旦那様に片思い中【佳作受賞】
純ちゃんは、立ち上がった。


私が何も言わないから、呆れた?

嫌いになった?

どうしよう。

純ちゃんが他の人を好きでも、私は純ちゃんを嫌いになれないよ。


すると、純ちゃんは私の椅子を下げて、机の下から出した。


何?


考える暇もなく、純ちゃんは、私の膝裏に手を入れて、私を抱き上げた。

え!?

お姫様抱っこ!?

「純ちゃん!?」

私が驚いて声を上げると、目の前ににっこりと笑う純ちゃんの顔があった。

私はそのまますぐ横のリビングのソファーに連れて行かれ、純ちゃんの膝の上で抱きしめられた。

「純ちゃん、重いでしょ!?
降ろして。」

私が言うと、

「何のために筋トレしてきたと思ってるの。
大丈夫だよ。」

と頭を撫でられた。

そのまま、純ちゃんから熱いキスが落とされる。

純ちゃんの舌はバニラアイスの味がした。

「咲笑、何を悩んでる?
教えて?」

純ちゃんが耳元で囁く。


「………やめてよ。
他に好きな人がいるのに、私に優しく
しないで。」

言っちゃった…

もう、終わりだ。

黙ってれば、このまま夫婦のフリができたかもしれないのに。
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