叙事詩レイヴァルド〜解〜
魔法と似て異なる力をこの世界では“ルーン”と呼ぶ。


魔法のルーツは神の力とされており、生まれつき持った属性を主流として学ぶ物ではあるが、ルーンに生まれ持った属性や性別は関係無い。


ルーンとはこの世の理を司る“精霊王”の力をルーツとしており、己が学ぶことであらゆる属性の術を使用することが出来る。


ルーンは他に転移術として武具を異空間にストックして換装することが出来たり、機械に負荷する事も出来る為、魔法とは違って使い勝手も良いが、力はそれとは少し劣るのもまた事実である。


文明発達の要ともなる存在は重宝され、その力が戦いだけの物ではないということは大衆に認識させている。


魔女とは異なり、世界の魔力のバランスを保つことで世界の自然を維持したり、ありのままの姿として残す事までは出来ないが、ニナム暦でルーン・機械文明が発祥してからというもの、その存在は世界にとって必要不可欠なものとなっている。


そしてもう一つ、この世界にある特殊な力に“闇系譜”が存在する。


創聖戦争で悪魔が戦闘民族に漏らした力の秘密とはこの力の事であり、以来、魔女に恐怖心を抱かせていた術法である。


魔力の強い人間、即ち魔女の持つ属性を、無理矢理“闇”属性に転換し、魔女の身体ごと魔力として己の力に転換する邪法は強大で、生贄を捧げる段階で対象者の魔力を倍増させる効果を持つことから、単純に魔力の強い見習い魔女を生贄に捧げても、十天魔女に匹敵する力に転換する可能性も秘めている。


属性転換の際、元々闇属性を持つ魔女の場合、術者の力の跳ね上がりは並の物ではなく、生贄に捧げた魔女自身の姿も消える事無く、その姿を操る事が出来るとされている。


創聖戦争で闇系譜を授かった戦闘民族は後に南の大陸に巨大な独裁国家を建国する。その存在はカルサリア暦に世界に大きな混乱を招くこととなるのだが…。
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