青の瞳に映るのはーー
「強いね、目黒くんはっ。
他に想ってる人がいるのに、俺なら無理だな。
傷つきたくなくて、逃げてるんだけどね」

はは、と乾いた笑いの内藤。

俺だって、傷つきたくないーーっ。

「美心、起きなよっ。
練習始め…………「ら、…………いくんっ」


美心ーーーー?

君は、今ーーー"誰を想ってますか?"。

「…………っ」


悔しい。

いくら、手に入れようと頑張っても君は雷がいい、と言う。

"約束"したね。
君が俺を好きになるまで、キスをしない。

君が、呼ぶ声は雷なんかじゃない。
我慢しきれなかった。

「………っ」

君の唇に、重ねた。

ドキドキして、フワフワするそれが君。

「やっ、えっ、青くっンッ」

愛しい君に、今度は強引なキスを与えた。

驚いて目を見開く、君に俺は余裕なんかない。

「美心が、雷を好きなままでもいい、と思った。
だけどーーもう、限界。

劇で内藤にキスされるのも嫌だし、他の奴が美心のこと好きになるのも、嫌だ。

雷を想ってる美心は、もっと嫌だ‼












俺だけを見ろよ、美心!!」











君に俺は、恋してる。











ただ、それだけーーー。












< 146 / 242 >

この作品をシェア

pagetop