眩しさの中、最初で最後の恋をした。

「一緒にテスト勉強して下さいぃ!!」

それは三人からの、泣きの混じった懇願だった。

「それで、どの科目のどの辺とかあるの?」

ふぅと、息をつきつつ問いかければ返ってきた返事がすごかった……。

「もう、いっそマルっと全部?みたいな?」
「そうそう、どこもかしこも!っていう感じ?」

そんな日菜子と蒼くん。

「俺は英語……」

どうやら、日菜子と蒼くんはなかなか手厳しそうだ。
要くんは英語らしい。

「じゃあ、今日から部活も無いし放課後図書室で勉強会で良い?下校までしか面倒みれないけれど」

仕方ないかと、笑いながら言う。

「有紗ぁ!大好き!」
「有紗ちゃん、ありがとう!」
「助かる」

という返事が来たので、早速図書室に移動して勉強会が始まる。

私はいつになく、笑顔で三人の勉強を見た。

「日菜子、ここ一昨日の所よ?話聞いてなかったの?」
「蒼くん、そこ綴りおかしい」
「要くん、動詞の形と位置もう一度見直してみて?」

そう言うとみんなを見つつ、自分も復習として振り返る。
そんな一日目が終わる頃には……。

「有紗、笑顔でスパルタ……。分かりやすかったけど、けど……」

「日菜っち、うん。俺らちょっと、かなり……、頑張らないとダメだね……」

「有紗、助かったありがとう」




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