うっせぇ!こっちはずっと片想いしてんだよ!
「まあ、もうそろそろ帰る時間じゃん?」
私の言葉に腕時計を見る隣の男。
私も何となく自分の腕時計に視線を落とすと、つい1分ほど前に見た時間とほぼ変わっていない。当たり前だ。
そろそろ、日付が変わろうとしている。
今日は金曜日。
いわゆる ”華金” だが、二人でこういう風にだらだら飲んでは、日付が変わる頃に解散をするのがここ数年の月1の恒例行事といってもいいくらいだ。
「おーもうそんな時間か。早いな。」
「そうだね。特に今日はお互いに残業してたし、始まりも遅かったからね。」
「んで?なんで恋愛不適合者になったんだ?」