青色の輝き
3年後の恋色
あたりはざわざわと騒がしい。




すぐそばで話している声もほとんど聞こえないほどだ。




「二井くん、わたあめ食べたい」




「はいはい」





水族館に行ったあの日。




俺は白石に『一緒に、お祭り行かない?栞里、光瑠くんと行くと思うから…』と、言われた。



光瑠が栞里と行くなら俺だって行く相手がいないし、二つ返事でOKしてしまった。



ついこのあいだまで毛嫌いしていたのに、なんでだろ。




俺と白石はわたあめを一つ買った。



水色の花の形をしたわたあめだった。





「大きいし、かわいいね」




そんなことを言いつつ躊躇なく食べ始める白石。



白ベースのピンクやオレンジの明るい色の花が散りばめられた浴衣を着て、足元はちゃんと下駄を履いている。




「二井くんも食べる?」




そう言って白石は、俺にわたあめを向けた。




「あぁ」




そう言って俺もわたあめをもらう。



買ったのは俺だけど。
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