俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



え、えっ…
告白しようと思った…って、え。

そ、それって涼すけって俺のこと…


「あのさ、私「ちょっと待った!!」

「…え?」


ちょっと、ちょっと待ってくれ
それ、涼すけから聞きたくない。


「な、なんだよ、急に…
話って、そういうことかよ」


俺は恥ずかしくて下を向いた。
涼すけの顔が見れなくて…


「…な、なんか急にごめん。
こんな話されても、困るよね…」


その涼すけの声が、すごい低いトーンで

『告るなら堂々と』

父さんの言葉が頭をよぎった。
…照れてちゃ、ダメだよな

俺はそう思って、立ち上がって涼すけの目の前に立った。


「あ、碧翔…?」


怖がんな、俺。
もうほぼ涼すけの気持ち、わかったんだ。

勇気出せ、俺…!!


「…俺も、話あったから待ってたんだよ」

「話…?」


少しうるっとした目を、俺に向けた。
そんな涼すけが可愛すぎて


「涼のことすき」


俺はもう、さらっと気持ちを言ってた。
涼すけの目を見て、はっきりと。

俺の言葉を聞いて、少し涼すけは固まったけど
すぐに俺から目を離して下を向いた。


「…碧翔が私のこと涼って呼ぶの、初めてだね」

「う、うるせぇよ
こういう時はふざけたくねぇの、俺も」

「はは、そっか」


< 110 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop