俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



ご飯ということでそこで勉強も終わり、俺と涼すけ
ついでに飛鳥と兄貴も一緒にダイニングへと向かった。


「普通弟の彼女をいきなりちゃん付けして呼ぶかねぇ」

「なんだ碧翔、ヤキモチ?」

「べっ…つに…」

「俺だってずっと応援してくれてた子が碧翔に取られて悔しいって」

「う、そつけ!!俺の頭に腕を乗せるな!」

「あれ、碧翔小さくなった?」

「元々チビだわ!!」


そんな俺と兄貴のやり取りに、涼すけは隣でクスクス笑った。


「なに、面白い?」

「え、うん
碧翔は外と変わらないんだなぁーって思って」

「なにそれ、どういう意味」

「だってなんか、飛鳥くんも学校と家ではちょっと違うし
お兄さんも、仕事の時とは違うんだなーって」

「…兄貴って仕事ん時どうなの?」

「え、んー優しさの塊?」

「へぇー…
でも家でも普段は優しさの塊だけどね」


なんだろ、こんな風にちょっかい出してくるのは珍しい気がする。
空気もめっちゃ読めるから、俺の部屋には来ないかなとか思ってたし。


「あ、そういえば
見て見て涼ちゃん」


・・・相変わらず俺の彼女だっていうのにちゃん付けだし…


「今日の俺の靴下、涼ちゃんくれたやつ」

「えっ…!本当に使ってくれてるんですね!」

「当たり前じゃん」


涼も、キラキラした視線を兄貴に送るし…
いやまぁある程度は仕方ないとは思ってたけど…


「ごめん碧翔」

「は?なに」

「私ASAHIくんファンやめられそうにない…」

「はぁ?」

「うんうん、いいよ
俺は大歓迎」

「・・・兄貴さっさと一人暮らししろよな」

「やだよ。俺この家大好きだし。
碧翔だってテスト前に勉強教えてってくるじゃーん。
欲しいものあると俺にねだってくるのは誰だよー」


う…確かに…
俺の成績ほぼほぼ兄貴のおかげだし…
この前もスニーカーもらったばっかりだし…


「まぁ俺にも彼女ができて、家が不便になったら出てくけど」

「さっさと彼女くらい作れよ」

「今は大学と仕事で忙しすぎてむりー」

「その割にこの時間に家にいるじゃん」

「そりゃ今日は涼ちゃん来るって聞いたから、急いで帰ってきたんだよ」


・・・おいおい、なんなんだそれ…
涼すけもいちいちときめいてんじゃねぇ!ったく…


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