暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
錬太郎side

俺は全国ナンバー1の暴走族"星竜"幹部

東雲錬太郎(しののめれんたろう)

ちなみに特攻隊長してるんだぜ!

俺や他の幹部、副総長、総長は

全員高1で今日からここ喜仙高校に

入学だ

先代が理事長でこの高校には

星竜だらけなんだよな〜

ってか集合時間に遅れるなって

あれ程口うるさく言ったくせに

その本人達が遅れるとかありえねぇ!

とりあえず掲示板から少し離れた所で

待つとすっかなぁ〜

それにしても面白いくらい野郎ばっか(笑)

まぁ、元男子校だし不良高だから

仕方ねぇけど…

そんな時、手に違和感…

ふと視線を落とすと金髪に青い目の

小さな女の子が徐ろにノートを掲げた

めちゃくちゃ可愛い…

ってそうじゃなくて俺!!

ん?なになに?

≪私、星川詩って言います。
背が低くてクラス表が見えません。
代わりに確認して貰えないでしょうか?≫

ノートと俺を交互に指すと笑顔で頷いた

頼みを聞いてやりたいけど

こんな見た目じゃ一緒にいると

この子周りから距離取られて

ダチ出来ねぇんじゃねぇかな〜

困った…

思わず表情に出しちまって

案の定、困った表情するこの子が

去ろうとするのを慌てて止めてしまった

「見に行くのは全然いいんだけどさ…
俺が傍に居ると、君に友達出来ないかもしれないんだよな〜。
こんな見た目してるし」

正直に思った事を話しただけなのに

さっきの笑顔とは真逆の悲しそうな顔

そんな顔させたくて言ったんじゃねぇんだけどな〜…なんて考えてたら

突然またノートに何やら書いて見せられた

その内容は俺にとってすごく嬉しいこと

≪全然怖くないですよ?
私にはすごく優しい人に見えます!
お友達になりたいくらいなのに≫

満面の笑みを浮かべて俺を見る姿に

心があったかくなった

それにしても、この見た目を

笑顔で怖くないなんて、びっくりだ

しかも優しい人なんて…

この子の方がよっぽど優しいよな

「ありがとな!
俺は東雲錬太郎(しののめれんたろう)
錬って呼んでくれな!」

笑って自己紹介すると

何やらまた書き出した

どれどれ?

≪私は声を出すことが出来ないの。
だから、錬って呼べない…
ノートに書くことしか出来ない。
それでもいい?≫

悲しそうに笑って首を傾げるこの子

ってか、この上目遣い可愛い…

っていかんいかん!!

「そんなこと気にしねぇよ、俺。
だって友達だろ?
ってかさ、名前なんて読むんだコレ?」

満面の笑みで頷いて

≪ほしかわ うたって言うの!
うたでいいよ!
ちなみに1年生だよ、錬は?≫

「おっ、俺も今日から1年だ!
よろしくな、詩!!」

詩か…名前も可愛いな、おい!

可愛いうえに優しくて

俺を見た目で判断したりしない

そんなの仲間だけかと思ってたのにな…

すげぇ嬉しい!

よろしくの意味を込めて握手すると

よほど嬉しいのか子供みてぇに

飛び跳ねてやんの!(笑)

にしても…手、すげぇ小さかった

柔らかかったし

って、俺は変態か!!

と、内心突っ込みながら

詩と掲示板に向かった







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