今が思い出にならないために。
学校の近くにある浜辺までやって来た。突き抜けるような晴天の空だ。

青く澄んだ海の水がキラキラと太陽の光を反射させている。

コンビニで買ったアイスコーヒーを飲みながら海の音を聞くと、疲れがほぐれていく。
頑張りすぎない程度に頑張らなきゃな…と思いながら歩いていると、遠くの方に小屋があるのを見つけた。

何だろう、と思いながらそこに近づくと、ボロボロの小さな看板が見える。
かなり前に閉店したようだが、小さな喫茶店だったように見える。

分厚いガラスの窓から中を覗いてみると、新聞や割れた食器が散乱していて荒れ放題だ。
私はその中に立派な鏡があるのを見つけた。それだけ新品のような輝きを放っていて、なんだか不自然に見える。

少し気になったが、勝手に廃屋に入る勇気はないので、そろそろ帰ろうと道を引き返した。

その時、急に後ろから誰かがやってきた。
< 16 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop