Smile  Again  〜本当の気持ち〜
入学式を終えて、講堂を出た私は、早くも、少々お疲れ気味。もちろん、緊張してたこともあるけど、校長先生のあまりの話の長さに、すっかり当てられてしまったからだ。これはなかなか手強そう・・・。


そして向かった先は、私の教室。事前に確認しておいたんだけど、1-Fが私のクラス、6クラス編成の1番最後のクラスだった。


教室に入ると、既に半分くらいの生徒が席に着いていた。顔見知りと話してる子もいたけど、大部分が緊張した面持ちで座っている。


私は自分の席を探す。学年の最初の席は出席番号順というのが、相場だから、こういう時に自分の席を探すのは、私にとっては簡単。だって私の名前は「岩武由夏(いわたけゆか)」、間違いなく5番目以内だもん。


こうして、1番窓側の列の前から3番目の席に、難なく自分の席を見つけた私は着席する。


同中の子は何人か、いるみたいだけど、仲良かった子や中学時代のクラスメイトで、この学校に来た子は、残念ながらいなかった。友達、ちゃんと出来るといいけどな・・・。


やがて、担任の先生が教室に入って来た。ここで、イケメンの若い先生が登場したりしたら、いきなり私の青春スト-リ-もスタ-トとなるんだけど、世の中、そんなには甘くない。


30代後半から40代そこそことお見受けした伊藤道雄(いとうみちお)先生は、担当は物理。温厚そうな先生で、その点はホッとしたけど、物理って私の大嫌いな理科の一種だよね。担任が苦手教科の担当っていうのは、どうなのかなぁ?
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