Smile  Again  〜本当の気持ち〜
こうして、私は聡志と一緒に家路に付いた。いつ以来だろう、聡志と一緒に歩くなんて。


自転車を押しながら歩く聡志の少し後ろに付いていくと


「何やってるんだよ。」


「えっ?」


「俺、後ろに目、付いてないんだけど。」


「はい?」


「危ないから送ってくって言ってんだから、横を歩けよ。」 


なるほど、そう言うことね。なら私にも言い分がある。


「なら、もう少しゆっくり歩いてよ。女子に対する気遣いが足りない。そんなんじゃもてないよ。」


「うっせぇ。」


そう言って、ソッポを向く聡志。あれ、照れてるのかな?


「で、水木は大丈夫だったのかよ。」


少し歩くと、また聡志が聞いて来た。


「悠もヤバイって、慌てて帰ったけど、なんとかなったって、さっきLINEがあった。って、聡志、悠のこと知ってんの?」


「ああ、いつもお前とつるんでるからな・・・。」


「えっ?」


びっくりして、私が聡志の顔を見ると、慌てたように


「いや、その、なんだ。あの子、結構人気あるからな。誰かと違って。」


なんて言う。確かに悠は、容姿も性格も可愛いから、男子の人気があっても、全然不思議じゃないんだけど、本人が全くの無自覚なのが問題。


あれだけ白鳥先輩に夢中なんだから、恋愛に目覚めてないわけじゃないんだろうけど、この間も、見知らぬ先輩に告白されて、からかわれたって憤慨してたくらい。


「じゃ、聡志も悠ファンなんだ。」


「バカ、そんなんじゃねぇよ。」


何故か不機嫌になる聡志。
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