Smile  Again  〜本当の気持ち〜
春の甲子園大会は、夏の大会に比べて、出場校も少なく、短いイメージがあるけど、優勝までは4回勝ち上がらなければならないし、勝ち上がるにつれて。当然試合の間隔が詰まって来るから、やっぱり苦しい戦いのはず。


前年度の優勝校でもある明協高校は、追われる立場に立たさされてしまっていて、その面でも苦しかったと思うけど、正直強かった。


前の年の優勝の時は、私達が入学する直前のことだったけど、「完勝」と報じられるくらいだった。今年は、そこまでではなかったけど、松本先輩、白鳥先輩の力は、高校レベルでは、やっぱり頭抜けている。


そして聡志や神くん達、私の同級生も秋に比べれば、遥かに落ち着いてプレーしていたように見えた。


もちろん常に負けたら、そこで終わりのトーナメント方式で戦われる高校野球に絶対なんかはありえない。


でも、そんな中、春の大会連覇、過去4回の甲子園で実に3回の優勝を成し遂げている、我が明協高校。


少なくても松本先輩達が現役の今年の夏までは、もう無敵なんじゃないかと、私達が浮かれても仕方なかったんじゃないかな?


だって私達は、この栄光が、どんな犠牲の上に、掴み取られたものだったのか、全然知らなかったから・・・。
< 64 / 217 >

この作品をシェア

pagetop