ちゃんと伝えられたら
大粒の涙があふれてくる。

「俺はお前が思っているよりもずっと前からお前を見ていた。この胸にやっと納めたお前を放すわけはないだろう。」

坂口さんは優しく私を抱いている。

何て温かな人肌なんだろう。

「今日は志保を家に送っていく。そこへ行くのは、志保が熱を出した日以来だな。」

私達はまた手をつなぐと歩き出した。















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