ちゃんと伝えられたら
その瞬間を想像しながら、私は動こうとしたが…。

「もう朝か?志保。」

ああ…、起こしちゃったみたい。

ちょっと残念。

「ごめんなさい、眠かったらもう少し休んでいて下さい。朝食の支度…。」

そう言った私を綾人さんはもう一度布団の中に引っ張り込む。

「…ここに居ろよ…、もう少し…。」

「でも…。」

「良いから、ここに居てくれ。」

私はもう一度綾人さんの顔を見つめる。

「ん?」

少し寝ぼけた表情が、力が抜けていて可愛い。

「綾人さん、まだ眠たいんじゃないですか?」

私は思わず綾人さんの額にキスする。

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