ちゃんと伝えられたら
「嫌ならちゃんと断ってくれたらいい。」

私があまりに返事をしないせいか、坂口さんは目線を逸らしてしまった。

「…違うんです、ちょっとびっくりしてしまって。でも…。」

「ん?」

坂口さんは首をかしげる。

「坂口さんのドライブに、仕事に関係している私がご一緒しても良いんですか?ストレス解消にならないんじゃないですか?」

坂口さんはそんな事かといった表情をする。

「こないだ弟のラーメン屋に行った時に気がついたんだ。篠田とはゆっくり話をした事もないなと。今回は仕事のパートナーでもあるんだし、ちょうど良い機会かもしれないと思ったんだ。」

私達はそう…、仕事のパートナー。

分かっているんだけど、そういうくくりに少しがっかりしてしまう。

「でもそれでは、仕事の延長みたいになってしまいます。坂口さんは大丈夫なんですか?」

私は思った事を坂口さんにぶつける。

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