教育係の私が後輩から…

ヤバイ…痛みが酷くなってきた。
あと3時間、保つだろうか?…

「佐伯? お前さっきより顔色悪くないか?
ちょっとは、休憩しろよ?」

「うん。ありがとう。でも大丈夫。
あっ焼肉の話、やっぱり今日はやめとくわ?
また、今度誘って?」

「何言ってんだよ!?
折角、今日は邪魔者居なくて、
二人っきりで行けるんだからな!?
ぜってぇー行くぞ!?

おまえ!? その顔どうした!?」

七本に顔見せずにいたが、イスを振り返され、打ち付けた顔を見られてしまった。

「ちょっと転んだだけだから、
心配しなくて良い。」

「ちょっと転んだって…
医務室行ったのかよ??」

「大丈夫だって!
見た目より酷くないから。」

「馬鹿! すぐ行けよ!」

七本は私の腕を掴み立たせようとした。

「痛っ…」

だが、痛みで立つ事も出来なかった。

「お前、足も怪我してるのか!?」

「転んだ時にちょっと挫いただけだよ?
たいしたことない。」

「馬鹿野郎! 捻挫を甘く見るな!!」

七本は私を抱き上げた。

すると部署内は騒ついた。

「七本さん、そんな女なんか、
抱えてるとこ彼女に見つかったら、
ショック受けるよ!?」

「勝手に噂してるみたいだけど、
俺、誰とも付き合ってないから!
いい加減な噂流さないでくれるかな?
マジ迷惑だから!
俺の好きな相手は佐伯だから!」

七本の爆弾発言で、部内には響めきが起きていた。

「こんな公の場で、勝手に告白してんじゃないわよ!?」

私は七本の頬をつねった。

「いひゃいって!」

ばーか!
そんなの今の私の恥ずかしさに比べたら、なんて事ないでしょ!?

「おい!誰か扉開けろ!」

七本の呼び掛けに、私への電話を受けた井本さんが、慌てて扉を開けた。



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