幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



榛名くんと話すのに、こんなに言葉が詰まったのは今日が初めてかもしれない。



結局、榛名くんには何も聞けなかった。

普通に聞けばよかったのに。

いや、聞けなかった……のかもしれない。



なんだろう、たぶん……。

あの甘い香水の匂いは


……女の人のものだと思ったから。



別に榛名くんが女の人と一緒にいたって、わたしには関係ないはずなのに。



さっきから、わけのわからないモヤモヤに襲われて、晴れない。


自分でもよくわからない感情を抱えたまま、
その日は眠りについた。

< 121 / 391 >

この作品をシェア

pagetop