限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「真帆がそばにいると触りたくなっちゃう。まずいな。本当に寝なくて、大丈夫? 俺、これから営業部の会議に行くけど、休んでいなよ」

「やることをやって、時間があったら休ませてもらうね」

私の言うことを信じると言いながらも、まだ寝かせようとする大ちゃんは心配性なのかも。副社長公認で休めるなら休ませてもらおうかな。

スーツの上着のボタンをはめた大ちゃんは、出ていくのではなく、また私の隣に腰をおろした。


「今夜は予定がないから、帰り送るよ」


心配はまだ続いているが、一緒に帰れるのはうれしいから首を縦に振り「ありがとう」と返事をする。


「じゃ、行ってくるね」

「はい、行ってらっしゃい」

「あ、その前にもう一回」

「えっ……」


私の顎に素早く手をかけて、キスをして、頬笑む。


「かわいいな、好きだよ。少しの時間でも離れがたいけど、じゃ……」


スマートに手をあげて仕事モードのきりっとした表情に戻る大ちゃんに、落ち着いていた心を激しく揺らされてしまう。

かっこいい……。
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