限りない愛~甘い彼に心揺れて~
副社長から見たら私はまだまだ子供なのだろうか?

見た目だって、中身だって、立派な大人だと思うから副社長からはどう見えるのか不安になる。

結局掴まれてしまった私は副社長の隣から離れられなく、いろんなリクエストに答えて撮影するユリナさんを見ていた。

ユリナさんは撮影の合間にときどき私たちを見ていたけど、その視線が鋭くて本気でどこかに隠れたくなった。

副社長に手をしっかり握られているから、隠れるのは不可能だったけれど。


「このあとは会社に戻るだけ? なにか急ぎか今日中にやらないといけない業務ある?」

「いえ、特に急ぎはないです。ここでのことを忘れないうちに記録しておこうかなと思っているくらいですね」

「それくらいなら俺のとこでも出来るよね。パソコンかタブレット持って、おいで」

「副社長室にですか?」


「おいで」と簡単に言う副社長は頷いた。簡単に言われても困るけど、副社長から言われて断れない。なにか広報部でやらなくてはいけないことはないかな。

畑野さんに確認するが、副社長室に行っていいとこちらも簡単に言われてしまった。
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