君と出会えた物語。



駅までみんなで一緒に歩いたけど、方向が別のため解散することになった。



結海と江美が私に合わせて最寄駅にしてくれた為2人は電車で、



幼馴染の男子も多分同じだろう。



「じゃあ、私はここで。」



「またな!」



そう言うヒロは私にじゃなくて他のみんなに手を振っていた。



「え?なんで?」



「なんでって、この近くで一人暮らししてんだよ。」



高校生で一人暮らしって珍しいなとは思ったけど、そう言ったヒロがなんだか寂しげで…



「そうなんだ!知らなかった。」



深く聞くことは出来なかった。



聞いてはいけない気がした。



みんなが改札を通るのを見送ってから歩き出す。



「今日、楽しかったな。」



「うん。すごく楽しかった。」



今日あった出来事を話してると楽しくて家まではあっという間だった。



「ごめんね、送ってもらったみたいになっちゃって。」



話し込んでしまって気がつくと私の家の前に着いている。



「そのつもりで歩いてたから大丈夫。」



ヒロは優しい笑顔でそう言ってくれた。


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