君と出会えた物語。



こんな自分が嫌で、嫌で、嫌で...。



行き場のない自分への怒りに涙がこみあがってきた。



どうしたらいいのか?



そんなの分かんないよ...。



廊下に出たら男女問わず4、5人に囲まれている柳田くんと目があった。



ぱっちりした大きな瞳に私の弱い所を全部見抜かれている気がして怖い。



目を逸らして歩き出した私に悲劇のヒロインとか追い討ちをかけられて八つ当たりしてしまった。



これは自分への怒りだったのに。



私って本当に最低…。



「...強くなれよ。」



走り出した私の背中に彼はぼそっと呟いた。



すぐには理解できずに人気のない裏庭に着いた頃にやっと届いた言葉。



いつもダメな私にこんな言葉をかけてくれたのは柳田くんが初めてだった。



「今なら変われる気がする...。」



ふと思った。



今回はいつもと違う。



そんな気がした。



そして、今を逃したらもうずっと変われない



そう思った...思ったけど…。


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