君と出会えた物語。
「ヒロが誰かのものになるなら私死ぬよ?小さい頃から私にはヒロしかいないから。」



「そーいうの辞めろよ。そんなんで気ぃ引いてお前はそれで満足?」



自分たちの声以外聞こえなかった教室に、奈々の開けた窓から部活をしている生徒や下校する生徒の声、風の音が聞こえる。



「だって、私だけずっと傷つくのは不公平じゃない?ヒロだけ幸せになるなんて許せないよ。」



「昔のことは悪かったと思ってる。けど、俺にどうしろって言うんだよ。」



罪悪感はある。



あの日からずっと...。



けど、今はもう朱莉しか見えない。



「じゃあ、私が幸せになるまで前みたいに一緒にいて。あと、私が泣いてたら全力で慰めて。この2つ守れなかったら下田さんに償ってもらうから。」



「言っとくけど、朱莉とは別れねぇから。」



奈々のことは特別だけど、朱莉のことは譲れない。



「いいよ。」



ニヤっと笑う奈々にゾッとした。



けど、前みたいにって言っても達也や裕太、江美に結海も一緒だったしそれでいいなら別に構わないし、泣いてる時に慰めるのも構わない。



それであのことが許されるのなら。



「じゃあ、もういいだろ。戻るぞ。」



奈々が窓を閉める。



正直安心した。



奈々とは小さい頃から一緒だったし今でも家族みたいなもんだから。


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