デキる女を脱ぎ捨てさせて
ただでさえ緊張した配属初日。
定時になって帰ろうと着替えをする為に更衣室へ入った。
入ってすぐに先ほどの二人に捕まったのだ。
「今すぐ支社長を食事に誘って来てくれる?」
突然言われて最初は理解できなかった。
「支社長、あの若さであの風貌でしょ?
社長の息子で将来有望だし。
女性社員はみんな目が眩んで大変だったの。」
「はぁ。」
分からなくもない。
あんな色気のある人物と仕事をするのかと思うと心臓がいくつあっても足りないな。と、思ってはいた。
「だからみんなで支社長へぶつかって砕けるっていうのが恒例になっててね。」
「今は新しい人が来たら、その度にって感じかな。」
なるほど、それが支社長の側で仕事をする女性社員の通過儀礼なのだ。
自分たちは憧れているただの一般庶民。
その位置付けを明確にしてしまえば仕事も割り切って出来るという。
なんとも分かりやすい。
その程度のことをすれば仲間として認められるのなら容易いものだ。
「無駄に緊張した……。」
簡単なことと踏んでいたのに、彼の前に行くと蛇に睨まれた蛙のような気分になった。
「明日からは頑張ろう。」
力なく呟いてやっと着替えることを許された制服を脱ぎ始めた。
定時になって帰ろうと着替えをする為に更衣室へ入った。
入ってすぐに先ほどの二人に捕まったのだ。
「今すぐ支社長を食事に誘って来てくれる?」
突然言われて最初は理解できなかった。
「支社長、あの若さであの風貌でしょ?
社長の息子で将来有望だし。
女性社員はみんな目が眩んで大変だったの。」
「はぁ。」
分からなくもない。
あんな色気のある人物と仕事をするのかと思うと心臓がいくつあっても足りないな。と、思ってはいた。
「だからみんなで支社長へぶつかって砕けるっていうのが恒例になっててね。」
「今は新しい人が来たら、その度にって感じかな。」
なるほど、それが支社長の側で仕事をする女性社員の通過儀礼なのだ。
自分たちは憧れているただの一般庶民。
その位置付けを明確にしてしまえば仕事も割り切って出来るという。
なんとも分かりやすい。
その程度のことをすれば仲間として認められるのなら容易いものだ。
「無駄に緊張した……。」
簡単なことと踏んでいたのに、彼の前に行くと蛇に睨まれた蛙のような気分になった。
「明日からは頑張ろう。」
力なく呟いてやっと着替えることを許された制服を脱ぎ始めた。