御曹司は眠り姫に愛を囁く
夢から覚めて

私は瑛さんと初めての夜を過ごした。
ときめきもなく、心の中で奏でるのは切ない調べ。
行為の後の乱れたシーツの上にカラダを横たえて眠りにつく。

宵の残る明け方。
深い眠りから現へと意識が引き戻されていく。

そんな刹那に彼が私の頬にチュッと優しくキスする。

私は眠った振りをして彼の次の行動を待つ。

「愛してる」

そんな甘い囁きが鼓膜に響き渡るのだった。

これは絶対に夢。

彼が私と同じように好意を寄せているなんてあり得ない。

そう彼は言うと再び枕に頭を乗せて、背中を向けて就寝してしまった。
< 153 / 171 >

この作品をシェア

pagetop