御曹司は眠り姫に愛を囁く
俺はリビングコーナーに居た社員に話し掛けた。

「このスタンド、俺が購入するから・・・売約済みにして」

「承知しました。副社長」

彼女の気に入ったスタンドを俺が購入した。
稜に代わって、彼女への慰謝料代わりにしよう。

******

イベント初日は無事に終えて、彼女は他の社員たちに混じり、軽く清掃していた。

「あ・・・」

彼女はあのスタンドの売約済みの札を見て、ショックを受けていた。


「心配しないで…君の気に入ったスタンドを購入したのは俺だから・・・」

「副社長が購入したんですか?」

「君にプレゼントする為だ・・・」

「私に??私・・・そんな副社長にプレゼントされる言われはありません」

「アスパラの牛肉巻きくれたお礼だ」

最初は彼女を捨てた稜からの慰謝料代わりにしようと思ったが、それでは彼女が惨めになると思い、アスパラの牛肉巻きのお礼にした。

「でも・・・お礼にしては、高額過ぎますよ」

「いいから・・・」
遠慮する彼女に言い伏せた。
< 20 / 171 >

この作品をシェア

pagetop