御曹司は眠り姫に愛を囁く
私ファーストに考えてくれる須藤さんに胸がキュンとときめく。

稜さんにはなかった副社長と同じ大人の男性の優しさと包容力を感じる。

須藤さんの私に対する想いは真剣で、彼なら私をとても大切にしてくれるかも。

心の奥に眠っていた熱く甘い感情。
そんな感情を抱いて、私は合コン場所に足を運んだ。


『ハイアットビル・ドラゴンホテル汐留』

豪華なシャンデリアが吊り下がったホテルのロビーで明日香と待ち合わせした。


フェミニンな白のサテンブラウスに淡いブルー系の花柄のフレアスカート。

急な合コンだったけど、今日着ていた服でも十分対応できる。

私は足りないメンバーの代行で来ただけで、合コンで彼氏を見つけようとも全く考えていない。
むしろ、今、口説かされも困るだけ。

明日香の言葉通り、黙ってジッと座っていよう。


「待った?凛音」

「少しだけ」
明日香は他の合コンメンバーを引き連れて、現れた。

「紹介するね。大学の友人の貴崎凛音」

「貴崎凛音です。よろしくお願いします」

私は明日香の友達に挨拶する。

皆、今夜の合コンの為に服もメイクも完璧だった。

普通過ぎる私がかえって目立ち、恥ずかしい思いが溢れる。

「行くわよ。いざ、出陣!」

大学時代の明日香が脳裏に蘇ったーーー・・・


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