-rebyle
老人は男と濁ったブルーの瞳を合わせる
男の瞳は
髪と同様金色だった
まっすぐな光を反射している
ここらでは見ない色だ
『話を聞いたら出て行くか。』
「約束はできない」
『分かった。』
老人は視線を雨に濡れ出した地面に移した
〜〜〜
目の前の男の体はどんどん動かなくなる
青い痣は全身に広がり始めていた
「行ってくるね」
彼に毛布をかけ直しハリボテの家から出た
雨が降っていた
今日は
寒い……
息が白かった
「su-」
白と黒がそれぞれの目を光らせ暗闇から現れた
「b,g…」
「se?」
「by」
「mm…」
〜〜〜
話し終えた老人は力なく壁にもたれた
息がない
老衰か……
目を閉じ他男を通り過ぎ街へ入った
どこか空気が淀んでいた
息を整え止まっていた歩を進めた
ぎらり
目の前を白く眩しいものが通った
風が吹く
白い光と黒い影,それに……
ぽつ
街に入る頃にはやんでいた雨
また降り出したか……
頬に付いた水滴
指でなぞるとそれは赤かった
血…。
光や影が通った方へ顔を向ける
影の後ろには赤が動いていた
赤……