遠距離の彼 と 近距離の同期
私が夕食の支度をしていると、海翔が目覚めた。

「おはよう。」

私が言うと、

「おはよう。」

寝癖のついた頭で、海翔が答える。

ふふっ
王子様が、台無しね。

「もうすぐ晩ご飯だから、先にシャワー浴びて来たら?」

私が言うと、

「うん。」

と言ったのに、なぜかキッチンに来る。

「結」

後ろから抱きしめられて、頭にキスを落とされる。

今まで、そんな事、した事ないのに…

海翔は、長い指で私の顎をすくい上げて振り向かせると、触れるだけの軽いキスをして、

「風呂、行ってくる。」

と去って行った。

< 102 / 284 >

この作品をシェア

pagetop