遠距離の彼 と 近距離の同期
「いつか、絆に合わせてくれる?」

天が聞いた。

「いいけど、嫌な思い、するかもしれないよ?」

「なんで?」

「………私に似てないから。」

「ぷっ
似てなくても、結の子だろ?
別に気にしないよ。
それに…」

そこで、天は言葉を切った。

「なに?」

「これから、結によく似た子を産んでくれればいいんだろ?」

天は腕を緩めて体を離すと、涙で濡れた私の顔を見た。

それって………

言葉の意味を理解した私は、天を見られなくて、顔を伏せた。

天は、また私の顎にその長い指を添えて上を向かせると、ゆっくりと顔を近づけてきた。

私は、そっと目を閉じた。

唇に優しいぬくもりを感じて、胸がキュンとなった。

嬉しい…

10ヶ月前、海翔に触られるのが嫌で、そんな私が嫌で、毎日が辛かった。

今、天に触れられるのが嬉しくて、そんな私がかわいくて、この瞬間が幸せで。

天、だいすき。
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