遠距離の彼 と 近距離の同期
「よっぽど伊藤を信じてるんじゃないか?」

今度は中橋さんが言った。

「いや、違うな。
あいつの事だ。甘えてるんだよ、伊藤に。
伊藤が誰かに取られるなんて、考えた事も
ないんじゃないか?」

春山さんがそう言うと、

「そう思うなら、教えてやればいいじゃん。
お前ら、同期だろ?」

と今まで黙ってた太田さんが言った。

「えぇ!?
でも、それは、自己責任でしょ!?
安達班のアイドルを勝手に食っといて、放置
した方が悪い。
大事なら、ちゃんと名前書いて自分の冷蔵庫に
しまっておかなきゃ。」

「なんですか、それ?
私はプリンじゃないんですから、やめて
くださいよ。」

私が抗議すると、

「悪い、悪い。
宮本に、せめて虫除けスプレーぐらい
振っとけって言っといて。」

と春山さんに言われた。
< 71 / 284 >

この作品をシェア

pagetop