禁断の恋だって分かっていても好き。
「この前の、兄妹の話。」



視線を私から、夜景に向けたお兄ちゃん。
夜景に向けたはずなのに、私には何故かもっと違うものを見ているように感じる。



『・・・うん。』



「俺が妹のことが好き。」



『・・・え?』



「って言ったらどうする?」



お兄ちゃんは、今なんて言った?



『お兄ちゃんが私のことを好き・・・?』



「・・・そう。」



相変わらず、お兄ちゃんの目に私は映らない。



今、お兄ちゃんが言っていることが本当なら、私が言うことは1つ。



『私もお兄ちゃんが好きだよ。』



お兄ちゃんの横顔を見て、ポツリと呟く。



お兄ちゃんが、ゆっくり私を瞳に映してくれた。



『恋愛感情で、私はお兄ちゃんが好きなの。ダメだって分かっていても、抑えられなくてっ。』



今まで言えなくて苦しかった、そう言おうとしたところで、涙がその言葉を遮った。



頬を伝う涙をお兄ちゃんがそっと、拭う。
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