神様には成れない。



時間に身を任せて彼に会うのに腹を括る為、シフト表を確認していたのに、ただただ悪戯に感情を掻きまわしただけだった。

そもそも、腹なんて括れる筈もなかったのだ。

電話ですらちゃんと話せていなかったのに、直接会った時にどうなってしまうのか想像に難くない。

それなのに、思いがけずに恋愛相談みたいになってしまったとは言え、自覚せずにはいられない。


「……誰の物にもなってほしくない」


とか。

こんなのはもう……と結論まで辿りつきそうになる前に私は目を閉じた。

暗い視界で思いだすのはやっぱり昨日の事で、目を塞がれていた感覚すら思いだせる。


「っ~~」


唇を噛みしめながら、只管に雑念を消そうと思考を外に追いやっている内に、私はいつの間にか眠りに堕ちて行っていた。


< 135 / 488 >

この作品をシェア

pagetop