神様には成れない。




「そう言えば京ちゃん何であんなところにいたの?」


あの場所から彼女の家まで近いにしろ、専門学校の位置を考えると帰り途中だとは考えにくい。

何か用事でもあったのではないかと心配になるもそうではないらしく


「千花とご飯行こうと思って、バイトかどうかは分からなかったけど、とりあえず近くまで来てたの」


用事があったのは私にだった。

四人でご飯を食べる流れになる前に言ってた事を漸く思い出す。

佐伯くんの勢いが強すぎてすっかり飛んでしまっていた。


「それなら連絡くれればよかったのに」

「連絡しようと思ってた矢先にあの男に絡まれたのよ」


また一連の流れを思いだしてしまったのか、心底嫌そうな顔をする。

私は少々苦笑いしつつも、今日の事を思い返して言う。


「でも、京ちゃん何だかんだで会話出来てたよね?」


嫌がりながらもちゃんと受け答えをしているのは珍しいのだ。

自分でもその自覚があるらしく、うっ。と気まずそうな顔を見せながらそっぽを向きボソボソと答える。


「……それは、そうね。あいつ私がキツイ事言っても笑ってたし、はっきりとしてたから話しやすかったのは……認める」


あれだけ拒否していた手前、バツが悪いらしい。


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