モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

雲の向こうは青空



あれから数日。


手紙のことと、真実を、歩優と伊吹に話した私。


2人とも信じられないと驚き、言葉を失っていた。


そんな反応になるよね……

2人も私と同じ、イバラの道を通ってきたから。


「そっか……
莉世、頑張ったね」


歩優は涙を流してぎゅっと抱きしめてくれたし、


「ごめん……っ、ごめん、莉世……っ」


伊吹も、今までの私にしてきたことを頭を下げて、何度も何度も謝ってくれて。


「やっと、気持ちが晴れたね」


「そうだな」


快晴の空が続く外を眺める2人を、放課後の教室に差し込む夕日が、明るく染めていて。

濁っていた瞳に、まぶしい光が戻ってきたようだった。


「莉世、蒼井くんにしっかり気持ち伝えてきなよ?」


「蒼井に莉世を任せるのはムカつくけど……莉世が幸せならそれでいい」


と、伊吹も最後には心から笑って、蒼井の元へと送り出してくれた。

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