俺様王子が恋をした
「お母さんもお父さんも心配してる。
 話してもらえない?」

お姉ちゃんの優しい声と
フワっとした柔らかい笑顔に安心して
話すことにした。


「…せん、ぱい、がね、海外行っちゃう…」

「どうして?」

「私を守ってくれたから…」

そこから単語単語でしか言葉が
出てこなかったけど
お姉ちゃんは理解してくれて
聞き終わった後に軽く、ふ~っと息を吐き

「まゆ、柊君の事、好き?」

え…?

「好き?」

そう、もう一度聞かれて

「…好き。誰よりも一番。」

これだけは自信を持って言える。

「じゃあ、まゆは何に怯えてるの?」

それは…

「距離が離れたら気持ちまで離れちゃうかも
 しれない事?それとも会えないのが寂しい?辛い?」

…全部当たりだ。
私はずっと先輩を想い続けると思う。
けど、先輩は違うかもしれない。
向こうで綺麗な人と恋に落ちるかもしれないし、
私の事なんて忘れちゃうかもしれない。
そう考えると怖くてしょうがないんだ。
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