Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「今日の千紗子の料理もすごく美味しい。ロールキャベツは柔らかいし、クリームシチューはコクがあるのに食べやすい。千紗子の和食はすごく美味いけど、こういう料理もいいな。どっちにしても千紗子の料理はホッとする味だ。」
「そんな…簡単なものばかりなんですよ…手の凝ったものなんて作れないから…。」
「十分手が凝ってるよ。ロールキャベツなんて俺からしたら魔法みたいだ。」
「魔法って…」
「だってそうだろ?どうやったらこんなふうに肉がキャベツの中に入るのか……魔法使いが作った料理だと、子どもの頃は信じてたんだぞ。」
「魔法使いが、……ふ、ふふっ、やだっ、うふふふふふっ、…ははっ、おかしっ、ふふふっ」
雨宮が真剣な表情と、その突飛な発想が可笑しくて、千紗子は笑いを堪えきれなかった。
食事中に笑うなんてお行儀が悪いと思いながらも、一度ツボにはまってしまうと中々抜けられず、どうにか笑いを収めた時には、千紗子の目じりに涙が溜まっていた。
「す…すみません。食事中に大笑いしてしまって。」
目じりを拭いながら顔を上げると、向かいに座る雨宮と目が合った。
彼ははひどく優しげな顔をして、こちらを見て微笑んでいる。ブラウンフレームの奥の瞳には温かな光が灯っていて、千紗子はさっきまで声を上げて笑っていたことも忘れて、その光に吸い込まれてしまう。