Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
 (強いな…それに綺麗だ。)

 昨夜は嵐に打ちひしがれた花のように、儚げで今にも枯れてしまいそうだった彼女が、今は辛いながらも自分の意志で立ち上がろうとしている。
 その粛然たる姿に、雨宮の心はどうしようもなく惹きつけられた。

 「分かった。」

 雨宮が頷くと、千紗子の肩の力がゆるんだ。
 雨宮は囲っていた腕を解いて、千紗子の頭をそっと撫でた。

 「家まで送るよ。」

 「そんな…自分で帰れます。」

 「いや、それはさせて。万が一あの二人が家に居たらと思うと、俺が気が気じゃないから。俺の心の平穏の為に部屋の前まで送っていく。」

 「…ありがとうございます。」

 素直に返事をすると、雨宮が鍵と携帯などを取ってくるのを待って、一緒に玄関を出た。


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