俺たちは夜に舞う蝶らしい

俺が裏に入ったのは親の影響。
ってか、親のを継いだだけだ。

夕は洋の誘いだったみたいだけどな。
こいつは情報参謀としても人を引き連れる立場だとしても絶大な力を見せる。

それは夕の素質。
普段はめんどくさがりのどうしようもない奴だが、組になるとガラッと雰囲気が変わる。

それは族の時もそうだった。




『お前、心配じゃねぇの?』


「そりゃ心配に決まってんだろー?」


『なら、なんで冷静なんだよ。』


「信じてるから。」


『‥‥‥‥は?』




信じてるから?
意味わかんねぇ。





「澪たちを信じてるから。
冷静でいられる。」


『‥‥‥‥お前、心が寛大だな。』


「気楽なだけさ。」




そう言うと飲み干したグラスの横に明らかに飲んだ量より多い金額を置いて立ち上がる夕。





『もう帰んの?』


「今日は早く帰るって約束してんだ。
蘭音、釣りはいらねぇから」


『あー、澪の誕生日か。』


「おう。
そろそろ帰らねぇと拗ねちまうからな。」



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