運命の人と運命的ではない出会い方をしてしまった
『素っ気なくて、面倒くさがり屋で。
でも、さりげなく色々気遣ってくれる。
面倒見がいい。』



理央くんの全てが好きになった。




「運命、信じるよ。
理央が好きだ。」



私の目を見て、手をギュッと握ってくれた。



『私も好きだよ、理央くん。』



私は、その手を握り返した。



『でも、ひとつ残念なことがある。』



そう、運命的ではないことがあった。



「・・・?」



『私たち、運命的な出会い方はしてないんだよ。』



「・・・」



『・・・』



「ふはっ」



しばらく黙っていた理央くんが吹き出して笑い出す。



『なんでそんなに笑うの?』



珍しく声を上げて笑う理央くん。



「いや。真面目な顔するから何言い出すかと思ったら、まさかのことだったから。
俺はてっきり付き合えない的なこと想像してたし。」



『運命の人との出会い方って大事だと思うんだけど。』
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