略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

「楽しそうだな」

「私ですか? すみません、ちょっと浮かれてますね」

「謝ることないさ。俺と居られてることが嬉しんだってわかるから」

「……そうですよ」


 図星をつかれて、恥ずかしくなり、誤魔化すためにちょっとむくれてみる。

 それでも匠海は優しいまなざしを崩さない。

 それどころか、さらにとろけそうに微笑まれるから、マスクに隠れた頬がぽっと熱くなる。


「可愛いな」

「すぐそういう」

「ほんとのことだって」

「……」


 簡単に美郷を甘やかすようなことを言ってくる匠海。

 そんな彼の隣にいられて、こんな幸せなことが他にあるだろうかと思うほど、胸がときめきに溢れていた。



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