王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「……いえ。さぁさ、フレデリック様、ズボンも直った事ですし、そろそろお帰り下さい。それでどうか、ここに来るのはこれきりにお願いします」
私は取り繕った笑みで席を立ち、フレデリック様に告げた。
フレデリック様は一瞬、表情を曇らせた。けれどフレデリック様は、すぐに綺麗な微笑みに変えた。
「エミリー、俺はきっとまたここに来る」
真摯な水色の双眸が、私を見つめていた。
「ズボンを、ありがとう」